前回の特集では羽目板施工後のメンテナンス方法ついてお伝えいたしました。
今回は木の床とコンクリートの床の違いについて特集いたします。
ナラやケヤキなどの広葉樹は一般的に硬いので「硬木」、スギやヒノキなどの
針葉樹は「軟木」と呼ばれています。はだしで歩いて気持ちがいいのは軟木の方です。
木は無数の細胞の固まりで、その細胞の一つ一つに空気を含んでいます。
空気は熱の伝達を妨げるので、手足が触れた場合、肌に熱を保存させてあたたかく感じるのです。
一方、コンクリートは触れた瞬間から足の裏の熱を奪い続けてしまいます。
一般的に室温22度位では、熱の差をあまり感じませんが、18度くらいになるとあたたかさに
差が出てくると言われています。
一般的に木の床はコンクリートの床に比べて、疲れにくいという声をよくいただきます。
杉の羽目板は、桧などに比べても、木そのものがやわらかく、衝撃を吸収する性質を持っています。
木には木材の細胞自体が変形する「局部変形」とよばれるものと、木材自体がまがる「たわみ変形」とよばれる要素をもっており、これが衝撃を吸収する役割をもっています。
この変形のおかげで、長時間立ち仕事をしても、コンクリートに比べて疲れにくいという結果になるわけです。
以前、日田市の美容室を経営するお客様から羽目板のご注文をいただきました。
当時はコンクリートをベースにデザインされた美容室だったのですが、女性従業員の疲れがたまりやすいということで、羽目板を活用した床にDIYをしたとのこと。
その結果、女性従業員の多くの疲れが軽減されたというお声をいただいています。
梅雨時期や雨の多い時期は、どうしても部屋の中や床がジメジメとしてくるものです。
コンクリートの床はその性質上、結露がおこりやすく湿気がたまりやすくなってしまいます。
一方、木の床は吸湿速度が非常に高く、触れた瞬間に足裏から水蒸気を吸い取る作用があります。
この木特有の作用のおかげで、雨の多い時期でもサラッとした感触を保つ事ができます。