前回の特集では、「黒杉の発生率を下げる取り組み」についてお伝えしました。
今回は「杉の驚くべき空気浄化能力」についてお伝えいたします。
みなさん、こんにちは。
梅江製材所の梅江です。
この1年の中で一番湿度があがる梅雨。ジメジメとした日が続いていますね。
こんな時は、床材を杉の羽目板に変えるだけでもさら~っとした足ざわりになります。
また、これから暑い夏がやってきますが、杉の羽目板は天然のエアコン効果も持っています。
暑い夏を快適に過ごすため、ぜひDIYにチャレンジしてみてくださいね。
さて、今日は「杉の驚くべき空気浄化能力」について話したいと思います。
これまでも特集で杉には調湿作用(分かりやすく言うと加湿器と除湿機の2つを兼ね備えた作用)があり、さらには殺菌や抗菌作用も備えカビや雑菌の繁殖を抑え、害虫を近づけない作業があるということは何度かお伝えしてきました。
ですが最近の研究(※1)でより詳しい効果が判明しました。
それは杉自体が持つ「空気の浄化能力」です。
特に効果的なのがNO2(二酸化窒素)に有効的で外気よりも70~90%の量を減少させてくれるということが判明しました。
NO2というのは窒素酸化物と呼ばれるもので主に大気汚染物質となっていて規制対象にもなっている物質です。都市部や工場エリアの汚染濃度が高いエリアに存在していることが多く、のどや気管、肺などに影響を及ぼすということで有名ですね。
今回の研究ではそのNO2を吸収する効果があると認められました!
よく森林に浄化作用機能があるということが知られてはいますが、木材にもその機能があり、特に固有種の杉にはその浄化作用が高いということがわかっているのです。
(※1 大阪府環境情報センターなどの研究による)
奈良にある東大寺正倉院では、宝物が1300年近くもの間朽ち果てずに現代にまで伝え続けられているということは世界的にも珍しいことであり驚くべきことですが、これまでそれを可能にしてきたのはヒノキの「校倉造り」が起因していると伝えられてきました。
しかし調査の結果、ヒノキの校倉造りの正倉院の内部よりも、宝物が収められている杉でできた唐櫃(カラビツ)内部の温度と湿度が、杉の持つ調温作用・調湿作用によって一定に保たれていました。
さらに大気汚染物質であるNO2なども浄化されていたため、文化財の良好な保存環境が保たれ今日まで長く保存ができているということが明らかになったのです。
このような環境は文化財だけでなく、人の生活環境としても活用することができ、特に都市部での屋内空気の環境改善にも役立つことが期待されています。
ですが、なぜこのような作用があるにもかかわらず、これまで世界中で木材による環境浄化商品の開発が進んでこなかったのでしょうか?
それは、日本の環境と海外の環境があまりにも違うために起こっているのではと考えられています。
欧米各国では、塗装するという文化が習慣としてあるため、木材の表面が塗料で被さってしまい浄化作用の効果を得れません。
乾燥地帯では、木材自体の乾燥により浄化機能が低下してしまいます。
さらに寒冷地では凍結による低下、熱帯雨林地帯では、木材の劣化(白カビ、シロアリ)で白木が短期間で朽ち果ててしまうため等の理由が考えられています。
日本はその環境から杉の調湿作用、浄化作用をフルに活用できる環境でもあるんです!
ぜひ新築やリフォームのご予定がある方は杉などの自然木を用いた一室を設け、心身ともの安らぐ空間を造られてみてはいかがでしょうか?
梅江製材所では、ご購入いただいた商品で施工された写真などをブログなどでもご紹介させていただいております。ぜひ皆様も、ご自慢の施工実績をおくってくださいね!
梅江製材所では、ご購入いただいた商品で施工された写真などをブログなどでも
ご紹介させていただいております。ぜひ皆様も、ご自慢の施工実績をおくってくださいね。